男性の差別を今一度考える、「男らしさとは」を問う国際男性デー

 

出典:Roman Samborskyi on Shutterstock

100年以上の歴史がある3月8日の「国際女性デー」をご存知の方は多いと思いますが、実は国際男性デーも存在します。性別に捉われない男女平等の多様性が認められるような社会になったらもっと人々は生きやすくなるはずです。本記事では、そんな国際男性デーについて詳しく解説します。

 

 ■国際男性デーとは

国際男性デーは、11月19日を男性の記念日とする国際的なイベント。男性の健康を気遣う日でもあり、ジェンダーレスを促すことを目的としていて、バイセクシャルの男性・トランスジェンダーなども対象で、「男だから」という固定概念に捉われない生き方を推奨しています。

 家族や結婚、育児に関して男性と男児への差別にスポット当て、その問題の解決を目指すことも目的です。

これまで男尊女卑の考えを改めようと「女性の権利」は多く語られてきましたが、近年では男性差別が問題化するケースが増えてきています。「女だから」は古い思想ですが、無意識に「男性がお金を多く支払う」「男だから体力仕事をする」などの考え方をしている人は少なくありません。「男だから」というジェンダーの差別意識を変えていこうというのが、「国際男性デー」の基本です。

 

【国際男性デーの6つの柱】

1.男性のロールモデルの促進。

例えば映画スター・スポーツ選手のような有名な人だけに焦点を当てるのではなく、一般男性も含まれる。

2.社会やコミュニティ、家族、結婚、育児などへの男性の参加を称える。

3.男性の幸福(健康・精神・感情・物理面)に焦点を合わせる。

4.法律分野や社会的態度での男性への差別を明らかにする。

5.ジェンダー関係を改善し男女平等を推進する。

6.潜在的な才能や可能性を大いに発揮できる社会にしていくこと。

 

■国際男性デーの歴史

国際男性デーの誕生は1999年に、トリニダード・トバゴで始まり、オーストラリアやカリブ海、北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、アフリカでおこなわれています。(日本はまだ未参加)

1999年以降、国際男性デーには、フォーラムや公開セミナー、会議、学校での講演活動などがおこなわれています。そのほかにコンサートやアートディスプレイ、パレードも開催され、賑やかで楽しいイベントの日となっています。

 

■国際男性デーを祝う方法とは

このイベントは、すべての男性にとって重要な日であり、男性の精神面へも良い影響を与えることが分かっています。

国際男性デーには、「男らしさとは何か」を問い、「男だから強くないといけない」、「男だからどんなに辛くても泣いてはいけない」「男だから家族を養う、正社員で定年まで働くのは当たり前」というような、世間の風潮に疑問を投げかけましょう。

この日は、ただ単に国際女性デーに対抗してできた祝日ではなく、男性の身体的・精神的健康を考え、男であっても弱音を吐いて良い、弱い自分を受け入れ、周りにオープンにして良いということを多くの男性に気付かせる日でもあるのです。

国際男性デー祝うことは、男性が男性であることを否定的に捉えず、肯定的なアイデンティティを持って生きていけるようにするためにも役立ちます。

 

【国際男性デーはこうして祝おう】

✔ 男性の健康・精神面を気遣う

✔ 視野を広げて色々な男性を観察する

✔ 道徳性を高める

✔ 慈善団体に寄付をする

✔ 男性同士で祝福し合う

 

国際男性デーをきっかけに、「男だから」「男らしさ」というような固定観念をなくし、もっと人類が自由に、個々を尊重できる社会になることを願う「国際男性デー」。

特別なことをしなくても、男女平等を考え相手への思いやりの気持ちを持つだけで、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。あなたも毎年11月19日には、家族や恋人、友人など身近な男性を少しだけ気遣って、国際男性デーを祝いましょう!