実はオランダが祭りの起源?収穫を祝う『感謝祭』とは世界の祝日だった!


『感謝祭』とはアメリカやターキーをイメージするかもしれませんが、実は世界には様々な祝い方があり、国によって起源も呼称も、ご馳走も全く違うのです。また本場アメリカより古いオランダの感謝祭の歴史など、日本を含め世界ではどんな祝日を過ごすのか、覗いてみませんか?

 

1. カナダ


アメリカでは周知の事実ですが、お隣カナダでも感謝祭がおこなわれます。かつての感謝祭は、イギリスの入植者による果実などの収穫を成功させるための感謝を示すお祝いでした。驚くことに、入植者がカナダを開拓し感謝祭をおこなったのは、1578年。つまりカナダの感謝祭はアメリカより40年以上も古い歴史を持っています。日にちも10月の第2月曜日と、アメリカより1ヶ月以上も早くおこなわれるのが特徴です。


2. 韓国


韓国では9月中旬から下旬にかけて、「秋夕(チュソク)」と呼ばれる感謝祭をおこないます。「秋夕」は、家族が一緒に心温まる食事を楽しみながら祖先に感謝の気持ちを表す家族行事で、秋の豊作を祝うものでもあります。このお祝いに欠かせない食べ物といえば、韓国人が好んで食べる「松餅(ソンピョン)」。また親や友人、仕事仲間へ高級な牛肉や果物、ギフトセットなどをプレゼントする習慣もあります。


3. ドイツ


ドイツでは10月の第1日曜日に「Erntedankfest(収穫感謝祭)」と呼ばれる収穫祭がおこなわれます。これはダンスフェスティバルや音楽イベント、ランタンパレード、花火、小規模のカーニバルなどで、カントリーフェアのような雰囲気が特徴です。とはいえ、教会での礼拝もおこなわれます。ドイツ圏での「Erntedankfest(収穫感謝祭)」は、プロテスタントとカトリックの教会が出資しており、人々はチキンやターキー、ガチョウのローストなど豪華な食事で祝うのです。


4. 日本


皆さんご存知の通り、日本の「勤労感謝の日」。実はこれも秋の収穫を祝うことが起源の感謝祭のひとつです。この日は日本の国民の休日として、働く人々を労う1日となります。しかし、休日があるだけでは通常の休みと変わらないため、個人的に感謝を表す場合も。例えば、子どもたちが警察官や消防士、医師、看護師などの自治体の労働者に向けて、「いつもみんなのために働いてくれてありがとう」などのメッセージや贈り物をするといったことがあります。これは人々の心に触れ、人権、平和、環境に関する現在の問題に立ち向かわせることを目的としている日本独自の文化です。地元の労働団体はこの祝日を支援しているのです。


5. ノーフォーク島


オーストラリアの小さな島、ノーフォーク島。2,000人を超える島民が住んでおり、かつてはアメリカの捕鯨船や商人が頻繁に訪れていました。感謝祭の始まりは1,800年代後半、イサクロビンソンというアメリカ人が、地元の教会でイベントを祝ったことが始まりで、それから長年にわたり地元の人々に継承されています。

お祝いでは、教会の礼拝に参加したり、家族や友人と美味しいランチを楽しんだりと他の地域の祝い方と大きくは変わりませんが、バナナを使ったノーフォーク島ならではの料理も食べるそうです。


6. オランダ 


少し歴史のお話をしましょう。アメリカで初めて感謝祭をおこなったといわれるイギリスの巡礼者「ピルグリム・ファーザーズ」たちは、実はアメリカに向かう前にオランダの「ライデン」という街に11年間滞在していました。そして、滞在中に感謝祭をおこなっていたというのです!

しかし、ピルグリム・ファーザーズのオランダ生活は長くは続きませんでした。というのも、彼らは彼らの宗教を大切にして生きていくことを目的としていたため、オランダの文化が肌に合わなくなっていったのです。そして彼らはアメリカへと航海し、誰もが知る感謝祭の歴史を築いたのでした。

今はオランダでは感謝祭を大々的に祝う習慣はありませんが、メジャーな感謝祭メニューを作ったりイベントをおこなったりと、一部の人の間では浸透している祝日です。またライデンには、観光名所となっている「ライデン・アメリカン・ピルグリム・ミュージアム」という小さくも立派な博物館があり、巡礼者たちの生活を再現した部屋や多くの資料を保存しています。

オランダが起源、とまではいえないものの、感謝祭の歴史にライデンでのエピソードを知っておいて損はないでしょう。


7. リベリア


リベリアでの感謝祭は11月の第一木曜日におこなわれる、歌や音楽にあふれた活気のあるイベントです。感謝祭はリベリア人にとって、神や過去に奴隷解放をおこなったアメリカ人、そして苦労や課題も含めた人生の全ての良いことに感謝するための日。キリスト教の教会は、マンゴーやバナナ、パイナップル、パパイヤなどの南国フルーツで飾り付けられるのが特徴です。食事は家族で集まってチキンやマッシュドキャッサバ、サヤインゲンのキャセロールなどを食べて祝います。


受け取ったもの全てに感謝の気持ちを持つ「感謝祭」は、世界中の人に共通する素敵な習慣です。だからこそ古い歴史があり、途絶えることなく脈々と受け継がれているのではないでしょうか。感謝祭は、家族や友人たちと美味しい食卓を囲むことでさらに特別な一日となることでしょう。

あなたも素敵な祝日をお過ごしください!