11月はヒゲ剃り禁止!男性の健康意識を高める世界イベント『Movember』


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Movember(モーベンバー)をご存知でしょうか?男性のがんの啓発活動を意味するイベントで、近年欧米諸国から世界的な広がりを見せています。本記事では、そんなモーベンバーについて詳しく解説します!


■Movember(モーベンバー)とは?

Movemberとはムスタッシュ(moustache)と11月(November)を組み合わせた造語で、2003年にオーストラリアでイベントが始まりました。

これは男性特有のがん(前立腺がん・精巣がん)の認知度や健康意識を高めていく目的で、11月の1ヶ月間はヒゲを伸ばすのが特徴です。いわば、ピンクリボン運動(女性のがんの啓発活動)の男性版といえるでしょう。


11月になると、オーストラリア・アメリカ・カナダ・ヨーロッパの各地で口ヒゲを生やした男性が集まります。子どもがつけヒゲを付けたり、女性は産毛を剃らずに参加する場合もあります。

ヒゲはその人の品格を表すもの。このイベントは、男性の品位を尊敬する意味も込められているのです。


■Movemberの3つの目標

・チャリティーのために口ヒゲを伸ばし、寄付金を集める。

・世界では1時間に60人の男性が自ら命を絶っており、彼らに追悼の意を込めて60キロを走ったり歩いたりする。

・チャリティー募金のイベントをおこなう。


■Movemberのストーリー

このイベントは、二人の男性のちょっとした冗談から始まりました。それは2003年の出来事。バーでお酒を交わしながら楽しむ二人の男性。

話の話題はファッションへと移り、「最近、口ヒゲを生やしている人、あまり見かけないよな」「口ヒゲをトレンドにできないかな?」と提案します。

Movemberの公式サイトによると、彼らは乳がんのための募金を集める友人の母親に触発されました。男性特有の病気である前立腺がんを啓発するキャンペーンに口ヒゲを取り入れようと考えたのです。

二人はさっそく友人たちにメールを送ります。この提案に賛同した30人の男性たちが最初の参加者です。

そして男性の健康問題について勉強し、オーストラリアの前立腺癌財団へ寄付を始めました。これがきっかけとなり、現在のMovember活動へとつながっていくのです。


■Movemberの活動が命を救う


出典:Gemma Chua-Tran on unsplash

日本でも近年、前立腺がん患者が増加しています。2012年時点では、男性のがんの部位別罹患数において胃がん、大腸がん、肺がんに次ぐ第4位です。

2015年には年間98,400人と罹患数で第1位になっています。

2006年からはMovember財団が、男性の体とメンタルヘルスの健康をバックアップ。がん患者支援のほか、医学研究・相互扶助組織、メンタルヘルス啓発活動などにも資金を提供しています。

世界で広がるMovemberのイベントは、社会現象となっています。組織、個人に関わらず情報交換が活発におこなわれ、他の医療サービスを改善した例もあります。


Movemberは、男女関係なく参加可能。男性の健康に対する意識を高めることに大いに役立つでしょう。もしあなたの身近に、体や心のことで悩んでいる男性がいたら寄り添ってあげてください。それが彼の人生を大きく変えるかもしれません。

11月はこのイベントを友人たちとシェアして、お互いのことを知る機会にしてみてはいかがでしょうか?