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日本では「11月8日(良い歯)」の日があります。日本よりデンタルフロスを使用する率が高いアメリカでも、毎年11月に「フロスの日」と呼ばれる日があります。ご馳走が増えるこの季節だからこそ、「歯の健康」についてちょっと考えてみませんか?
■「フロスの日」って何?
フロスの日は、歯の手入れを毎日行うのがいかに重要なことであるかということに焦点を当てた日。2000年に全国フロス評議会にて定められました。アメリカでは口腔衛生のために、少なくとも1日1回フロスをかけることを推奨しています。
今年は2019年11月29日がちょうどその日。感謝祭などでご馳走をたくさん食べたあと、歯を清潔に保っておくことを思い出してもらう日なのです。
■意外と知られていないフロスの歴史
人がデンタルフロスを使い始めた時期というのは、実ははっきりしていません。しかし考古学的には、有史以前に発見された人の頭蓋骨からフロスを使っていたことを示す跡が残っていたことが分かっています。
現代のデンタルフロスの発明は、ニューオーリンズ出身の歯科医Levi Spear Parmly氏によるものです。Parmly氏は、1819年に最初のデンタルフロスを発明。毎日そのフロスで歯を磨くことを推奨しましたが、実際にはそれほど人々の間には定着しませんでした。
人々にデンタルフロスが認知され始めたのは、1882年のことです。Codman and Shurtleft Companyによって、ワックスが塗られていない絹のフロスが製造・販売され、そこからデンタルフロスが多くの人に知られるようになりました。
さらに薬や医療機器、ヘルスケア関連製品を取り扱う企業であるジョンソン・エンド・ジョンソンは、1898年に最初の特許取得済みデンタルフロスの開発をスタートさせました。
デンタルフロスには多くのメリットがあります。歯石の原因となるプラークの蓄積を防ぎ、虫歯予防・歯周病予防につながります。そしてデンタルフロスをおこなうことで常にきれいな歯で、表情まで明るく見せてくれるものなのです。
■フロスの日を祝う方法って?
祝い方はとっても簡単です。朝起きて、歯ブラシをした後にフロスを使って磨くだけでOK。アメリカ歯科医師会は、口腔中の衛生のために少なくとも1日に1回はフロスをすることを推奨しています。
「フロスのお祝い」とは聞き慣れない表現かもしれませんが、人によっては毎日歯磨きの後にすでにやっているのではないでしょうか。
毎日フロッシングすることによって歯ブラシでは取り除けない歯の隙間のプラーク汚れをすっきりと落とせます。
■本当は怖いプラーク(歯垢)の話
プラークは、固い歯石へと変化する恐れがあるため、歯磨きはもちろん、毎日フロスをすることが重要です。また定期的にフロスをおこなうと口臭を防ぐことにもなり、一石二鳥です。
またプラークには有害な細菌が含まれており、最終的に心臓など身体の重要な器官へ移動していくことも分かっています。最悪、心臓病のリスクが高まるのです。さらに最近の研究では、歯周病で認知症のリスクが高まるとも言われており、歯だけでなく口腔内を清潔に保つことの重要性が高まっています。
細菌の繁殖を防ぐためにも毎日おこないましょう。それが自分の命を守ることへもつながっていきます。
このようにフロスの日は、普段歯の健康に気を使っていない方に対してもフロスをすることの大切さを再確認してもらうための日でもあり、レストランやカフェでは、お客さんにフロスを提供したり従業員に対してフロスを提供したりなどしてフロスの使用を促進しています。
フロスアートコンテストなるものもあり、これもまたフロスの大切さを世に広めるための良い機会になっています。
歯周病や虫歯の予防における重要なステップとなるフロス。普段、歯磨きだけで終わっていたというあなた、歯の健康は大丈夫でしょうか?クリスマスや忘年会、お正月などのイベントを迎える前に、フロスを使ってより美しく、健康的な歯を目指しましょう!