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あなたは11月20日の「世界こどもの日」をご存知でしょうか?「世界こどもの日」は1954年に国連が世界中の子どもたちの相互理解と、貧困対策や病気の予防・治療など福祉の向上を目的に制定しました。今回は、そんな世界こどもの日について詳しく解説していきます。
■「世界子どもの日」とは?
国連が1954年に「世界子どもの日」を発表。世界中の子どもたちの福祉を充実させるための活動として制定されました。この日は信条や人種、宗教が違っても互いの違いを理解し合い、お互いを知ることの大切さと、福祉への関心を高めることに貢献しています。国際男性デー、国際女性デーなどと同様に、人の権利や差別をなくし平和を願うための日で、国連の加盟国に対し「こどもの日」を定めるように勧告されています。
未来は今の子どもたちの手にかかっています。世界のすべての子どもたちが貧困や紛争がないところで平和に暮らし、学校にも安全に通い、自らの可能性を発揮できる世界をつくること、それが世界こどもの日を制定した目的でもあるのです。
■日本の「こどもの日」と「世界こどもの日」って別モノ?
一般的には毎年11月20日に開催されますが、具体的な日付などは各国政府の判断で決められています。
日本では5月5日のこどもの日。端午の節句とも呼ばれ、1948(昭和23)年に『こどもの人格を重んじてこどもの幸せを願うとともに母に感謝する日』として制定されました。南スーダンなどの他の国では12月23日、キューバでは7月の第3日曜日に、ポーランドでは6月1日に開催されます。
また「世界こどもの日」と関連して1959(昭和34)年に「児童の権利に関する宣言」、1989(平成元)年には「子供の権利条約」が国連で採択されました。
■日本は少数派?世界の子どもたちが生きている世界とは
ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)が明らかにしたデータによると、世界では年間530万人の子どもが5歳の誕生日を迎えずに亡くなっており、さらに出産時や出産直後に子どもが命を落としてしまうケースは、世界で毎年280万人いると推定されています。
また、貧困や紛争で約1億2400万人が学校に行けず、児童労働で毎日働いている子どもの数は世界で1億5200万人(2017年9月 ILO発表)。この数字は、日本国民の総人口、約1億2300万人よりも多いのです。
どれだけ多くの子どもたちが権利を奪われ、貧困や争い、様々な病気が蔓延する環境で生活しているかが分かります。
どのような時代であっても子どもに関わるすべての大人たちが、子どもの権利が実現されるように取り組むことが重要です。そして何より子どもたち自身が、自分たちの置かれている環境を改善するために、自分の持つ権利について知って学ぶこと、声を上げていくことができる世界が望まれています。
■世界こどもの日を盛大に祝うために
世界こどもの日を祝うために、11月20日は世界各地でイベントが開催されます。日本でもチャリティイベントやフェスティバル、楽しいアクティビティなどを通して子どもの大切さを学ぶ機会があります。
世界こどもの日は、大人と子どもが共に楽しい時間を過ごすための特別な日。一人の大人として子どもに対し、友情・愛・人生の教訓などを伝えていく良い機会にもなるでしょう。そして世界には過酷な状況の中で必死に生きている子供たちがいることを忘れず、改善していくためにはどうすれば良いかを考えるきっかけにもなります。
世界こどもの日を通して、今一度、身近にいる子どもたちの権利と幸せについて考えてみてはいかがでしょうか。